<2025年1月14日更新>
子宮頸がんの治療
治療は、年齢や他にかかっている病気、がんの進行具合(ステージ)によって変わってきます。
進行の状況によっては、子宮を部分的に切り取る手術や放射線療法が必要となることもあります。
子宮頸がんを治療するには?
子宮頸がんのステージにあわせて、手術、放射線療法、抗がん剤(化学療法)のいずれか、もしくは複数を組み合わせて行います。
完全にがんになる前でも、高度異形成(CIN3)や上皮内がん(CIN3)が確認されれば、子宮を部分的に切り取る手術を行うこともあります。
がんが進行した場合に行われる手術は手術後の後遺症も大きくなるため、より早い段階での発見が重要になり、そのためにも定期的な検診が必要です。
子宮頸前がん病変や
ごく初期のがんに対する治療方法
完全ながんになる前の細胞の異常や上皮内がんの時点であれば、子宮の一部分のみを切除する「円錐切除術」で取り除くことができます。
円錐切除術では子宮を温存できるため、妊娠や出産の可能性を残すことができます。
実際、日本では年間約12,800人の女性が、円錐切除術を受けています。※1
ただし、手術の後も、早産などを含む後遺症が残る場合があります。※2
さらに進行したがんに対する治療方法
広汎子宮全摘出術では子宮頸部やリンパ節を幅広く切除するため、身体への負担が大きく、術後合併症が起こりやすくなります。卵巣を切除するかどうかは、年齢や組織型、病期なども考慮して決めます。
治療費用のほか、退職や転職、長期療養による収入減少、労働損失も大きくなるとされています。
子宮頸がんは早期に発見できれば、子宮を守ることができる可能性があります。
少しでも気になることがあれば、まずは病院で医師に相談してみましょう。
※1
日本産科婦人科学会 婦人科腫瘍委員会報告 2021年度患者年報
※2
国立がん研究センターがん対策研究所「子宮頸がんとその他のヒトパピローマウイルス(HPV) 関連がんの予防ファクトシート 2023」
がんになる前なのに、治療が必要?
子宮頸がんは、完全にがんになる前に治療できる可能性があります。
より早い段階で見つけて治療すれば、妊娠できる可能性を残せるほか、手術による後遺症などを減らすことができます。
完全にがんになる前の異常な細胞が増えた状態を「高度異形成(CIN3)」や「上皮内がん(CIN3)」と呼びます。この段階で治療することがとても重要で、早期発見のためにも検診を受ける必要があります。
関連Q&A
●子宮頸がん検診はどこで受けられるの?
手術を受けると後遺症が出る?
治療の内容によっては、その後の生活に大きな影響が出る場合があります。(後遺症)
主な症状としては下記のようなものがあります。
子宮を残す手術の場合(円錐切除術)
妊娠の維持が難しくなる
早産のリスクが高まる傾向にあります。
子宮頸部やリンパ節を幅広く切除する手術の場合(広汎子宮全摘出術の場合)
妊娠ができなくなる場合がある
がんの大きさ、場所、組織型、年齢などを十分に評価した上で、子宮そのものを摘出することになれば、妊娠ができなくなります。
尿のトラブル
神経も一緒に切り取るような手術をした場合は、尿(尿もれ、残尿感など)に関するトラブルが起こりやすくなります。
腸閉塞(ちょうへいそく)
腸が本来はくっついていないところにくっついてしまうことで腸管の通りが悪くなる腸閉塞(ちょうへいそく)によって、腹痛や吐き気などの症状が出ます。
下半身のむくみ
手足や胸のリンパ液の通り道が影響を受けることで、足や下腹部がむくみやすくなります。これを改善するために、弾性着衣(だんせいちゃくい、圧迫するための衣服のこと)が必要となることもあります。
※イラストはイメージです。症状の出かたには個人差があります。
性生活の悩み
手術によって腟の長さや幅が変わることがあります。これらが原因でパートナーとの性生活に影響が生じることがあります。
転移・再発の可能性
子宮頸がんの転移で多いのは、リンパ節や肺などです。
再発の可能性は治療の方法や場所によって異なるものの、どちらも大きな不安として残ります。
こうした後遺症を乗り越えたとしても、長期の療養によって収入が減少したり、退職や転職をしなくてはならない場合もあります。また、30~50代の子育て世代の方は、子育ての時期とも重なり、心身共に大きな負担がかかってきます。
参考:国立がん研究センターがん情報サービス「手術による影響」/「手術後の合併症」/「転移・再発」
日本婦人科腫瘍学会.患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん 治療ガイドライン第3版(2023年)
監修 上田 豊 先生
大阪大学大学院 医学系研究科 産科学婦人科学・講師
1996年、大阪大学医学部卒業。2018年から大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学・講師。婦人科がんの治療に携わりつつ、子宮頸がん予防の啓発に取り組む。日本産科婦人科学会:専門医・指導医、日本婦人科腫瘍学会:専門医・指導医、社会医学系専門医・指導医、日本疫学会:上級疫学専門家。
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