今考えたい、私たちのカラダ。ゆうこすと若手注目女優が子宮頸がんを学ぶ
【vol.4】予防方法②:HPVワクチン接種~エンディング
今考えたい、私たちのカラダ。ゆうこすと若手注目女優が子宮頸がんを学ぶ |【vol.4】予防方法②:HPVワクチン接種~エンディング
日本のHPVワクチン接種率はまだ低いが、G7主要国では接種が広まっている
「今は1次予防としてのワクチン接種が十分に広まっているのですか?」とゆうこすさん。
これに対して三輪先生は、次のように説明。
「厚生労働省が公開している速報値によると、2023年7月時点での速報値では2022年4月から2023年3月までの1年間にHPVワクチンの3回目接種を完了された方が31万人以上います※」。
〈参考文献〉
※第94回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会の資料3-2
※今後の集計で修正される可能性があります。
では、日本のHPVワクチン接種率は……?
「国ごとに集計方法等が異なる可能性があるため単純に比較はできませんが、WHOのデータをもとにG7参加国のワクチン接種率を比較したのが上の図です。HPVワクチンは、主要国の中ではすでに一般的に接種が広まっているワクチンなんです」(三輪先生)
「例えばオーストラリアの接種率は約80%で、2028年には子宮頸がんにかかる人は10万人当たり4人未満と予測されています※。この数値はWHOが子宮頸がんの制圧と定義している数字なんです」(三輪先生)
〈参考文献〉
※Hall, Michaela T et al. Lancet. Public health vol. 4,1 (2019): E19-E27.
Q.日本でのHPVワクチン接種について教えてください。
A.HPVワクチンは定期接種の対象となっています。そのため、対象者の方は公費(原則自己負担なし)で接種することができます。
対象は、小学校6年生から高校1年生相当の女性です。また、これまでに定期接種の機会を逃した方を対象に、キャッチアップ接種を実施しており、1997年度生まれから2007年度生まれ、かつ、過去にHPVワクチンの合計3回の接種を完了していない女性も公費助成の対象になります。
ただし、キャッチアップ接種は2025年3月末に終了します。
詳しくは医師にご相談ください。
家族には伝えやすい方法で相談を。サイトを見せるのもおすすめ
「ワクチン接種は自分のカラダに関わる重要なことだから、一人で決めるのは不安という方もいるかも」とゆうこすさん。トークは「家族にどう相談する?」というテーマに。
「私は今、一人暮らしなので、母と週2回は長電話しています。電話で恋バナや友達のことも話すので、その延長で、カラダのことも話したりします。私の母は前回の放送を見てくれているので、もし悩んでる子がいたら、この『Like ME Project.』をお母さんに見せてみたらっておすすめするかも」(折田さん)
「お母さんと改めて話すとなると、恥ずかしかったり堅苦しい雰囲気になったりする方もいると思うので、『相談があるんだけど…』ではなく、『最近こういう話を耳にしたんだけど』とフラットに聞いてみるのがいいのかなと思います」(石川さん)
ゆうこすさんは、19歳の妹さんに子宮頸がんの情報を教えてあげる際に、「もっと知りたい 子宮頸がん予防」というウェブサイトをチェックしてみたそう。
「サイトのURLを貼って送るのもいいかも」(ゆうこすさん)
「視聴者の中にも、カラダのことをどうやって家族に相談しようかと迷っている方もいると思いますが、自分にとって一番伝えやすい方法で伝えてほしいですね。一人で抱え込まないでいただきたいですよね」(西澤アナ)
一方、三輪先生は、「初めて婦人科に行く人にとっては、子宮頸がん検診にも不安を感じるかもしれません。家族に相談することや、医師に相談するのを手伝ってもらうことはとても良いことだと思います」と訴えた。
さらにワクチン接種を受けるタイミングについて、ゆうこすさんは次のように思いを語った。
「私も学生時代は打ってなかったけど、大人になって自分のカラダと向き合ったときに打ちたいなと思って打ちました。ワクチン接種は初めての性交渉前がいいとされていますが、『経験しちゃったからもう打っても遅い』というわけではないので、自分のカラダと向き合えたタイミングで検診もワクチンも検討するのがいいのかなと思います」
関連Q&A
●HPVワクチン接種や子宮頸がん検診について不安や疑問があるとき、誰に相談したら良い? >
●セクシャルデビュー(初めての性交渉)後に、HPVワクチンを接種しても意味はないの? >
※ワクチンは、すべてのHPV型から感染を防ぐものではありません。性交渉後でもワクチンでカバーされているHPV型に感染していなければ予防効果が期待できます。
「子宮の日」を、子宮頸がんについて知るきっかけに
「子宮の日」にちなんで自分のココロとカラダについて考えてきた今回の放送。石川さん、折田さんからは、次のような感想や意見が。
「子宮の日をきっかけに、子宮頸がん検診に行ってみようかなとか、こういうワクチンがあるんだと知る気づきになったらいいなと思うので、明日4月9日には、私も何かそういう発信ができたらいいなと思います」(石川さん)
「学校では詳しく教えてもらえないことも多いので、たくさんの方にこの『Like ME Project.』を見て勉強していただきたいです。そもそも子宮の日を知らなかったという子が多いはずなので、まずは子宮の日を知ってもらって、この機会に調べたり、もっと自分のことを好きになってもらえたら」(折田さん)
最後に西澤アナが、今回学んだ内容をまとめてくれた。
今回のまとめ
- 子宮頸がんは20代、30代でもかかるがん。予防するには、10代からのワクチン接種と20歳を過ぎてからの検診が大切
- ワクチン接種や定期検診などで悩んでいるなら、一人で悩むのではなく、家族や友人など、まず話しやすい誰かに相談を。不安であれば、専門の医師に相談する際に、身近な人に一緒に来てもらうと心強い
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忙しいからって体のことを後回しにしないで!自分を守るために、予防のための選択を
監修 三輪 綾子先生
産婦人科専門医
THIRD CLINIC GINZA 院長
産婦人科専門医として、20代、30代という若い年代で子宮頸がんに罹患した患者さんを数多く診てきました。でも今は、ワクチンと検診の両方で、子宮頸がんは予防が可能ながんになっています。※
決して自分は大丈夫、関係ないと思わないでほしい。忙しいからって体のことを後回しにしないでほしい。自分を守るために、そして予防のための選択をできるように、正しい知識を身につけ、”自分で自分の体を守る”という意識を持つことが大切です。
ワクチンや検診に関して、また子宮頸がんという病気について不安や疑問があるときには、病気の専門家である医師(かかりつけ医、婦人科・産婦人科医、小児科医等)に気軽に相談をしてみてくださいね。
※ワクチンと検診で子宮頸がんを100%予防できるわけではありません