10代以上の女性の方へ:もっと知りたい 子宮頸がん予防 
監修:上田豊先生(大阪大学大学院 医学系研究科 産科学婦人科学・講師)
<2025年2月27日更新>
そもそも子宮頸がんって?
子宮頸がんは20代後半から増加し、若い世代でも発症するがんです。
ただし、自分の選択によっては防げる可能性があります。
この病気を予防するためには
セクシャルデビュー(初めての性交渉)前のHPVワクチン接種が大切です。
セクシャルデビュー後であっても、可能な限り早くのHPVワクチンの接種と、20歳以上の方は、定期的な検診を受けることで防げる可能性があります。

子宮頸がんには2つの予防方法があります。

HPVワクチンの接種
子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐ予防接種です。
HPVワクチンは、その種類や接種時の年齢により、2回もしくは3回の接種が必要です。
以下の対象者の方は、接種は公費(原則自己負担なし)で受けることができます。接種スケジュール等、詳細は医師にお尋ねください。
HPVワクチン公費助成※の対象者
※原則自己負担なしで接種できます


2024年度に
小学校6年生~
高校1年生相当の女子※1
2008年4月2日~
2013年4月1日生まれ
※1 標準的な接種時期は中学校1年生



1997年4月2日~
2008年4月1日生まれ
かつ、過去にHPVワクチンの合計3回の接種を完了していない方

キャッチアップ接種は2025年3月31日まで
※厚生労働省『HPVワクチンのキャッチアップ接種に関するリーフレット』より作成
< お知らせ >
今年度16歳~27歳の方で、2022年4月1日~2025年3月31日の間に1回以上接種していれば、残りの接種を2026年3月31日まで公費で接種できます。
定期接種制度に関しては各自治体にお問い合わせいただきますようお願いいたします。
参考:厚生労働省ホームページ ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~(Accessed Jan. 08, 2025)

関連Q&A
● HPVワクチンの副反応って?
● セクシャルデビュー(初めての性交渉)後に、HPVワクチンを接種しても意味はないの?

子宮頸がん検診
子宮頸がんは、初期の自覚症状が出にくく、自分では気付きにくい病気です。そのため、定期的な検診によりがんになる前の段階やがんの初期に発見することが大切です。
また、HPVワクチンを接種していても、20歳を過ぎたら、子宮頸がん検診を定期的に受けることが推奨されています。
20歳以上の女性が子宮頸がん検診を公費で受けられるよう取り組んでいる自治体もあります。

関連Q&A
● 性交渉経験がなければ、子宮頸がん検診は必要ない?
子宮頸がんに関するお悩み・よくある質問のなかで特に10代以上の女性が気になる内容を ピックアップしました。
過去に、接種後に生じる可能性のある「多様な症状」等について、十分に情報提供できない状況にあったことから、積極的な勧奨(個別に接種のお知らせを送る取り組み)を一時的に差し控えるよう、厚生労働省が自治体へ通知を出していました。
令和3(2021)年11月の専門家の会議で、以下の条件を踏まえたうえで、積極的な勧奨を再開することが決まりました。
● 引き続きHPVワクチンの安全性の評価を行っていくこと
● 接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関の診療実態の継続的な把握や体制強化を行っていくこと
● 都道府県や地域の医療機関等の関係機関の連携を強化し地域の支援体制を充実させていくこと
● ワクチンについての情報提供を充実させていくこと
また、HPVワクチン接種の積極的な勧奨が行われなかった時期(平成25年から令和3年の間)に定期接種の対象であった方々の中には、ワクチン接種の機会を逃した女性がいます。このような方々に公平な接種機会を確保する観点から、あらためて接種の機会が設けられることになりました。
参考:厚生労働省ホームページ「HPVワクチンに関するQ&A」
現在、HPVワクチンを公費で接種できるのは、「定期接種」および「キャッチアップ接種」の対象者のみです。
定期接種の対象者は、12歳~16歳となる日の属する年度の末日(3月31日)までの期間内で公費で接種することができます。
今年度、定期接種の対象年齢の最終年度に当たる方(16歳の方)とキャッチアップ接種の対象者(今年度で17歳~27歳の方)で2022年4月1日から2025年3月31日までにHPVワクチンを1回以上接種している方は、2026年3月31日まで残りの接種を公費で接種することが可能です。
※キャッチアップ接種は今年度(2025年3月31日)で終了となりますが、キャッチアップ接種期間中(2022年4月1日~2025年3月31日)に1回以上接種している方は、2026年3月31日まで公費で3回の接種を完了できるよう経過措置が設けられます。
定期接種制度に関しては各自治体にお問い合わせいただきますようお願いいたします。
参考:厚生労働省ホームページ ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~(Accessed Jan. 08, 2025)
詳しくはこちらをご覧ください。
HPVワクチン接種制度の期限について >
コンドームによる予防効果は他の性感染症に比べると限定的だと考えられています。※1
なぜならHPVは、外陰部や肛門などにも潜むウイルスだからです。性交渉の際に、パートナーが一貫してコンドームを使用することは現実的には難しく、また、妊娠を希望する際には使用することが出来ません。
HPV感染を予防するには、HPVワクチンの接種も大切です。※2
※1 Winer RL, et al. N Engl J Med. 2006; 354: 2645-2654.
※2 HPVワクチンで、HPV感染による子宮頸がんを100%予防できるわけではありません。
絶対に子宮頸がんになるわけではありません。
HPVに感染した女性のうち約90%はウイルスが自然に検出されなくなりますが、ウイルスが持続的に感染した場合には、子宮頸がんへ進行する人も出てきます。
片方だけでは不十分です。ワクチン接種と検診は役割が違うため、どちらも受けることが重要です。まず「1次予防」としてHPV感染を防ぐためのワクチン接種があり、「2次予防」として前がん病変の段階やがんの初期で発見のための定期的な検診があります。

※自覚症状の有無、発生時期には個人差があります。
セクシャルデビュー後であっても、HPVワクチンを接種することはできます。
子宮頸がんは主に性交渉によるHPV感染が原因で起こりますが、そのHPVにはたくさんの「型」(タイプ)があります。
性交渉の経験があっても、まだワクチン接種で予防できるHPV型に感染していなければ、予防の効果が期待できます。また、ワクチン接種で予防できるHPV型の一部に感染していたとしても、感染していない他の型に対しては予防の効果が期待できます。
いつかじゃなく、「今」だ。篇(30秒)

見上 愛 さん
2019年にデビュー以降、映画・ドラマ・舞台・CMと幅広く活躍。2024年はKTVドラマ「春になったら」、CXドラマ「Re:リベンジ-欲望の果てに-」、NHK大河ドラマ「光る君へ」、主演映画「不死身ラヴァーズ」、WOWOWドラマ「ゲームの名は誘拐」などに出演。気鋭の若手女優として注目を集めている。
ナレーション
日髙 のり子(ひだかのりこ)さん
代表作は「タッチ」浅倉南、「となりのトトロ」草壁サツキ、「らんま1/2」天道あかね、「名探偵コナン」世良真純、「呪術廻戦」九十九里基ほか多数。
現在は、NHK「あさイチ」、フジテレビ「ミライ☆モンスター」のナレーション、ラジオパーソナリティ、ETC車載器、歌手、ドラマ・朗読劇・バラエティー番組出演など幅広い分野で衰えを知らぬ美声を届け続けているスーパー声優。2024年、声優デビュー40周年を迎える。
これは、今を懸命に生きる女性たちの物語ーー。

課題や制作に追われている20歳の美大生、勉強や部活に忙しい16歳の高校生、任される事が増え仕事が楽しくなってきた社会人3年目の会社員。
忙しい毎日を送っている10代、20代の彼女たちにとって、「子宮頸がん」と聞いても、ピンと来ないかもしれません。なぜなら、病気やましてや「がん」などと言われても、自分にはまだ早いのではと思っても不思議はないからです。
でも、子宮頸がん※は20代~30代でもかかる「がん」。
若い女性でも、かかる可能性がある疾患なのです。
このCMでは、見上愛さん演じる美大生の主人公が、自治体から届いた子宮頸がん予防に関するお知らせを見て、「この病気は、自分にも関係がある」「ワクチンと検診という予防する方法がある」ことに気づき、自ら子宮頸がん予防に向けたアクションを起こすストーリーです。
先延ばしにせず、「今」行動することの大切さを表現しました。
その行動は、自分の未来を守るための大事なアクション。
子宮頸がん予防は、いつかじゃなく、「今」だ。さあ、あなたも。
※子宮頸がん(がんの前段階である上皮内がんを含む)にかかる女性の約38%が20代〜30代です。
20~30代の女性でもかかる子宮頸がんについて知ってほしい
監修 上田豊先生
大阪大学大学院 医学系研究科 産科学婦人科学・講師
今、自分が「がん」にかかることなど想像もできないと思います。
でも、20~30代でもかかるのが子宮頸がん。
その”きっかけ”は、がんにかかる数年以上前から起こり始めています。
だからといって、心配しすぎることはありません。HPVワクチンの接種と子宮頸がん検診を定期的に受診することで、そのほとんどを予防できます。
若いみなさんだからこそ、是非知っていただきたい、とても大事な情報です。